任意売却のメリット10選!任意売却を選ぶべき理由がすべて分かる
家族の夢を実現させたマイホーム。しかし、リストラや収入の減少、突然の病気など、想像もしていなかった事態からローンの支払いが滞り、債権者から競売を申し立てられてしまうこともあります。
そんな時、競売を回避するための有効な手段として任意売却がありますが、任意売却には単に競売が回避できるというメリットだけではなく、他にも数多くのメリットが存在します。 本記事では任意売却の魅力を紹介すると共にメリットとデメリットを具体的にまとめました。
競売になりそうな方、競売がすぐそこまで迫っている方は任意売却のメリットとデメリットをしっかりと理解し、検討することをお勧めします。
任意売却とは競売を回避できる手段
任意売却とは、住宅ローンや他金融機関からの借り入れなどが支払えず、競売にかけられる前に、自主的に不動産を売却することです。
競売にかけられると、市場価格より著しく低い金額で落札されるため、住宅ローンや借入を完済することが出来ず、多額の借金が残り続ける可能性が高いです。 このような競売での不利益を回避できる点が、任意売却の最大のメリットでもあります。
関連記事:任意売却とは?競売を回避できる最終手段
任意売却を行うべきメリット10選
任意売却は、競売を回避し借金の完済や大幅な圧縮が出来るという最大のメリットがありますが、その他にもたくさんのメリットがあることをご存じでしょうか。
ここからは実際に任意売却を経験してみないと気付けないメリットも含めて、任意売却を行うべきメリット10選を紹介します。
メリット1:競売より高い金額で売却できる
任意売却最大のメリットは競売よりも高額で不動産を売却できる点にあります。 なぜ高額で売却することが出来るのか、その理由は2つあります。
1つ目:市場価格で売買できるため。
競売は裁判所が示す基準価格以上での取引(入札開始の価格)となりますが、その価格は市場価格の70%程度となることが多いため、市場価格で売却することができる任意売却の方が、より高い金額での売却が期待できます。
2つ目、広告宣伝などの販売活動が可能であるため。
競売では裁判所から競売の告知がされる程度で広告宣伝活動は制限されます。一方、任意売却では任意売却専門業者による広告宣伝や既存の販売網を通じて、多くの潜在的な買い手にアプローチすることが可能です。そのため市場の競争原理が働きやすくなり、競売になるよりも高い価格での売却が期待できます。
以上のように、市場価格での取引や広告宣伝活動が可能である任意売却は、競売よりも高い金額で不動産を売却できるのです。
メリット2:ローンや借金の完済が期待できる
競売よりも高い金額で売却ができるということは、その分、住宅ローンや消費者金融などからの借金の返済に充てられる金額が増えることにも繋がります。
不動産という大きな資産の売却となると、競売による売却と任意売却では売却金額に数百万円の差が出ることも珍しくありません。この大きな差が借金完済となるのか、借金が残り自己破産を検討せざるを得なくなるのかの岐路を決めることになるのです。
メリット3:ローンや借金が残った場合の返済も融通が利く
住宅ローンの残債や消費者金融などからの借り入れが多額におよぶ場合は、任意売却をしたとしても借金が残ることがあります。ですが、債権者と交渉することで返済額や期間の調整、減額などの対応をいただけることもあるのが任意売却のよいところです。
債権者側も、回収の見込みがあると判断できる方には寄り添った対応を取ってくれます。 生活再建をするうえでは競売よりも任意売却を選択するメリットの方が大きいのはこのためなのです。
メリット4:引越し費用がもらえる
自宅を売却することで一番困るのは、住居を失ってしまうことだといえるでしょう。
競売の危機に直面した以上、金銭的な余裕がない状況であるにも関わらず、競売で不動産を失った直後に引越し費用という負担がのしかかってきます。
一方、任意売却にのみあるメリットとして、引越し費用の補助があります。
引越し費用は不動産の売却金額の中から、経費として認めてもらえる可能性が高い費用で、債権者との交渉が上手くまとまれば最大で30万円程度が補助されます。
競売で引っ越す場合と比べると、引越し費用がかからないことは、生活再建のための重要なポイントだといえます。
メリット5:自宅にそのまま住み続けられる
競売にせよ任意売却にせよ、自宅を売却することに変わりはありません。しかし、任意売却とリースバックを組み合わせることで、売却した自宅にそのまま住み続けることが可能です。
リースバックとは、売却した不動産を賃貸として買主(貸主)から借りることで住み続けることが出来る方法のことです。
リースバックについては下記の記事で解説していますので、自宅に住み続けたい方はぜひご覧ください。
関連記事:リースバックとは?仕組みからメリット・デメリットまですべてが分かる
関連記事:【完全網羅】リースバックのメリット10選を徹底解説
関連記事:【完全版】リースバックのデメリットとよくあるトラブル事例
メリット6:売却にかかる持ち出し費用が一切発生しない
一般的に不動産を売却するには、以下の費用がかかります。
- 登記費用
- 印紙税
- 仲介手数料
- 室内クリーニング費用
- 測量費用
など
加えて、競売となるとさらに以下の費用がかかります。
- 予納金
- 登録免許税
- 申立手数料
上記3つは債権者が競売を申し立てる際にかかる費用で、その合計金額は100~200万円程度になることが多いです。重要な点は、債権者は立替えているだけであり、最終的には債務者が支払う必要があるということです。つまり、競売になるだけで借金が100~200万円程度増えていることになります。こうなってしまっては、借金の完済は遠のくばかりです。
しかし、任意売却を行うために必要な持ち出し費用は一切ありません。すべては不動産が売却できた時の売却金額から差し引かれますので、何のリスクもなく任意売却にチャレンジすることが可能です。
メリット7:遅延損害金の増加を防げる
競売の危機にある状況では、長らく住宅ローンや借入の返済をしていないことが多いため、遅延損害金が雪だるま式に膨らんでいます。
遅延損害金は、競売申立費用に次いで最も大きくのしかかる負担です。
遅延損害金の利率は年14.6~20%程度となっており、仮に滞納時点の住宅ローンが2000万円あったとすると2000万円(住宅ローン)×0.146(年利)=292万(1年あたりの遅延損害金)となります。
任意売却を通して債権者と交渉する際に、遅延損害金の取り扱いについても相談することで、免除や減額など譲歩いただける可能性があります。
競売になることと比較すると数百万円以上も債務を減らせることは任意売却にしかないメリットではないでしょうか。
メリット8:競売の危機が近隣住民や周囲にバレない
任意売却は債権者との交渉があるという点を除くと、一般的な不動産売買とさほど変わりありません。そのため周囲から見ても、単に不動産の売却をしようとしている程度にしか映らず、競売の危機にある状況だとは誰からも思われないでしょう。
競売の場合は、裁判所からの調査依頼を受けた不動産鑑定士が訪問してきたり、競売への入札を考えている不動産会社や個人の方が訪問してきます。 このように来訪者が多くなると、近隣住民の方も多少気になり始めます。
競売にかかっている事実は裁判所からの公告によって公けになっているので、調べられてしまっては誰にでも分かってしまいます。 絶対に近隣住民や周囲にバレたくないということであれば、調べられるきっかけを与えないよう、早急に任意売却の依頼をし、来訪者の数を減らすことが重要です。
メリット9:難しい債権者との交渉を任せられる
競売を避けるためには、債務を完済するほかに、任意売却を行うしかありません。しかし任意売却を個人で行うことはおすすめできません。なぜなら任意売却は時間との闘いでもあるからです。
任意売却には実質的な期限として、競売の開札期日の前日までが認められています。
また、債権者との交渉を上手くまとめられるかという技術や経験による問題もあります。 債権者側の立場としても、債務者が自身に有利な話をするために交渉に来られたとしても、積極的に話を進めることはないでしょう。なぜなら競売や任意売却は、いずれにしても債権者が損をする可能性が高いからです。
このように利害関係や時間、技術、経験の問題を考えると、任意売却はその道のプロである任意売却事業会社に任せることが解決への最短ルートであり、任せられることが任意売却のメリットでもあります。
メリット10:精神的な負担がなくなり心が穏やかになる
任意売却によって無事、不動産の売却が完了すると精神的にも肩の荷が下りた安心感が沸き上がってきます。
引越し先は現状をふまえたうえで入居できる物件が斡旋され、引越費用が補助されます。 また、仮に完済ができずに住宅ローンや借金が残ったとしても、その返済は十分に譲歩された形まで落ち着ていることでしょう。
一方、競売で不動産を売却(落札)すると、こうはいきません。
引越し費用の補助もないため引越すことができず、自宅に居座り続けていたとすると数カ月の内に強制退去をさせられます。加えて、支払い切れなかった住宅ローンや借金の返済はそのまま残り続け、さらにその残債に対しても引き続き遅延損害金が加算されていきます。
任意売却は競売よりも高く売却出来ることが最大のメリットではありますが、実際に最も重要なのは、債権者と交渉出来ることで、不動産売却後の生活の再建、やり直しが可能なことです。
任意売却にデメリットはある?
任意売却で不動産を売却するべきメリットをお伝えしてきましたが、任意売却にもデメリットはあります。
任意売却のデメリットは競売に比べて「手間がかかる」ことです。
任意売却にある多くのメリットを受け取るには、任意売却を成功させるための手間がかかります。これが任意売却のデメリットと言えるでしょう。 具体的にはこれらの手間がかかります。
- 買主候補からの内覧を受け付けるなど、販売活動に協力する必要がある
- 元配偶者と不動産の持ち分を共有している場合は、連絡を取る必要がある
- 連帯債務者や連帯保証人への説明が必要な場合がある
- 任意売却事業会社を探す必要がある
任意売却のデメリットについてはこちらの記事でも解説していますので、メリットと併せてごらんください。
関連記事:任意売却のデメリット5選を解説!結論:競売よりは任意売却を
任意売却にはタイムリミットがある
何もしていなくても進行する競売と違い、任意売却を進めていくには順序があります。 順序があるということは任意売却が可能な期間、つまりタイムリミットもあります。
そのタイムリミットは競売の開札期日の前日(落札者が決まる前日)までです。
任意売却は競売を避けるために行うものであるため、競売の落札者が決まるまでに任意売却を完了させる必要があります。
そのため任意売却ができるタイムリミットも落札者が決まる前日までとなるわけです。
ただし、注意しなければならないポイントがあります。
制度として、任意売却は開札期日の前日までが認められていますが、任意売却に取り掛かれる期日はもう少し前の段階である、入札開始日の前日までとなっています。
開札期日の前日までには任意売却を完了させる必要があります。ですので、債権者との調整や交渉、購入希望者を探すことをふまえると、入札開始日までに債権者の了承を得たうえで任意売却に向けて動き出さなければなりません。
任意売却のタイムリミットについては、競売の流れに関する記事でも解説していますのでぜひご覧ください。
よくある質問
Q1:任意売却を成功させるためには何をしたらよいですか?
債権者との交渉などはすべてこちらにお任せください。ご自身では購入希望者が気持ちよく内見できるように常に自宅をきれいに保っていてください。
Q2:任意売却の査定金額が思っていたよりも安かったのですが、競売にした方がよいでしょうか?
一般的に競売は市場価格の70%程度になるため、競売にした方がもっと安い価格で落札される可能性が高くなります。
もちろん任意売却よりも高い金額になる場合もありますが、競売で落札されてみないことには分からないため、勝率の低いギャンブルをするようなものとなってしまいます。
Q3:現況調査時に裁判所の方から、不動産業者とは話さない方がいいと言われたのですが何でですか?
現況調査に訪れる不動産鑑定士と調査官は、調査を行うことに対して業務委託をされた方たちです。
そのため、あなたの不動産がいくらで売れるのかについては他人事と捉えている方が多いです。
任意売却を勧めてくる不動産業者の中には一部の悪徳業者がいるのも確かなことですので、そういった意味の注意喚起として「不動産業者とは話さないでいい」と言ってくるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
競売になることと比較した時の任意売却のメリット10選を紹介しました。
- 競売より高い金額で不動産を売却することができる
- 住宅ローンや借金を完済できる可能性が高い
- 残債が残った場合でも返済方法や金額、期間について相談できる
- 生活再建をするための引越し費用がもらえる
- リースバックすることで自宅に住み続けられる
- 不動産を売却するための費用を持ち出す必要がない
- 遅延損害金の負担を軽減できる
- 近隣住民や周囲にバレない
- 難しい債権者との交渉を任せられる
- 精神的な負担がなくなり心が穏やかになる
競売にかかったという事実を受け止めることは大変ストレスのかかることです。 しかし、だからといって放置してしまっていては債務が膨らみ続け、不動産を売却したあとの生活再建にも悪影響をおよぼしてしまいます。
任意売却は生活再建を意識したうえで取るべき手段としては、とても有用です。 競売の危機に直面している方は、現状の悩みについてお話いただくだけでも心が軽くなりますので、お気軽に任意売却ヘルプセンターまでご相談ください。