身に起こるとやばい!リースバックのトラブル事例7選!危険な罠にかからないための回避策も紹介

住宅ローンの返済や生活資金の調達のために、リースバックが活用されるケースが増えてきています。しかし、詳しく知らない状態で利用してしまうと、トラブルに発展しかねません。

そこで本記事では、リースバックで実際に起こったトラブル事例を紹介します。あらかじめ事例を知ることでリスクを回避しやばい状況になることを避けられますので、是非参考にしてください。

リースバックとは

自宅などの所有している不動産を売却したあとも、そのまま住み続けることのできるサービスをリースバックといいます。

リースバックには住み続けられるというメリット以外にも、買い戻すことができる点や固定資産税がかからない点など、ほかにも多くのメリットが存在します。

一方でデメリットとしてあげられるのは、売却価格が低くなりやすい点、支払う賃料(家賃)が高くなりやすい点です。

詳しくは他の記事で紹介していますので、こちらからご覧ください。

関連記事:【完全網羅】リースバックのメリット10選を徹底解説

関連記事:【完全版】リースバックのデメリットとよくあるトラブル事例

リースバックで実際に起こったやばいトラブル事例7選

前項で紹介した特徴やデメリットを踏まえた上で、この章では実際に起こったトラブルの事例を7つ紹介します。

  1. 買戻しができなかった
  2. 家賃の値上げを求められた
  3. 住み続けることができなかった
  4. 相続人ともめた
  5. 不動産会社が倒産した
  6. 修繕費の負担範囲があいまい
  7. リースバックが出来ないと言われた

ひとつずつ見ていきましょう。

事例1 買戻しができなかった

リースバックでは、一度売却した自宅を買い戻すことが可能ですが、実際には買い戻せなかったトラブルの事例があります。要因として挙げられるのは、以下のような内容です。

  • 口頭による約束のみで、契約書に明記していなかった
  • 提示された買戻金額が高すぎる
  • 買戻しできる期限を過ぎていた

口約束だけの場合、知らぬ間に売買されて所有者が変更になり、買い戻すことが不可能になっていたというケースがあります。売買されていない場合でも、買戻し自体を拒否されるケースも少なくありません。

また買戻金額が高すぎるケースでは、悪意のある業者が高値を提示してくるほか、周辺環境の変化や開発により地価が上がる事例が見られます。

このような事態を避けるためには、再売買の予約を行い、契約書に書き記すようにしましょう。買戻金額や条件を明記しておくのも有効な手段のひとつです。

また買戻特約を付けている場合は、買い戻せる期間が定められています。いつの間にか期限を過ぎていて買い戻せなかったというトラブルを防ぐためにも、契約時に書面をしっかりと確認しておきましょう。

関連記事:リースバックで不動産を買い戻す方法と失敗しないためのポイント

事例2 家賃の値上げを求められた

賃貸契約時に「家賃の値上げはしない」と説明を受けていたにもかかわらず、契約更新のタイミングで値上げを求められるといったトラブルがあります。口頭での説明は証拠力が弱いので書面に残すことが重要です。

悪意のある不動産会社の場合は、物件を売却して利益を得るために、あえて家賃を引き上げ て賃貸契約を更新できないようにするケースも見受けられます。そのほか、自宅が知らぬ間に売買されてオーナーが変わった場合にも、更新のタイミングで値上げを求められる可能性が否定できません。

リースバックでは周辺相場より家賃が高くなる傾向があるため、更新の際に値上げされると家計が厳しくなることも考えられます。

割高な家賃であったとしても、住み慣れた自宅で暮らすためにリースバックを選択する方も多いですが、値上げを避けるためにも、賃料を固定化する条文を賃貸借契約書に入れるなどの交渉をしましょう。

また過去に契約した顧客からの口コミなどを確認することも大切です。悪意のある値上げを繰り返すやばい会社であれば、悪い評判が見つかるかもしれません。

事例3 住み続けることができなかった

自宅を売却した後もそのまま暮らしつづけられると思っていたのに、途中で退去せざるを得なかったというトラブルもあります。これは賃貸契約の種類が「定期借家契約」であったことが主な要因です。

賃貸契約には、普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。普通借家契約とは、特別な理由がない限り、借主が希望すれば契約を更新できる賃貸契約のことです。

もう一方の定期借家契約とは、契約の更新がない賃貸契約で、貸主に有利な契約です。契約期間は一般的に2~3年を設定されることが多く、住み続ける場合は更新ではなく、再契約を行う必要があります。

ただし貸主側には再契約をする義務がないので、はじめの契約期間が終わった段階で退去を求められる可能性があることが問題となっています。再契約ができると言われて定期借家契約を締結したものの、契約満了時に再契約を拒否されてしまい、住み続けられなくなってしまうのです。

まれに「最大◯年まで賃貸可能」などと謳っているケースもありますが、あくまでも最大であり、その年数を保証されているわけではない点に注意が必要です。

多くのリースバックでは定期借家契約が結ばれていますが、中には普通借家契約ができる会社もあります。長く住み続けるためには、更新可能な普通借家契約をするようにしましょう。

事例4 相続人ともめた

自宅を売却して所有権がなくなることによって、相続人ともめるケースもあります。リースバックでは家を売却した後もそのまま住み続けられるため、第三者から見ると、所有者が変わったことがわかりません。

そのため、いざ相続する段階になって、初めて所有権がないことを知るのです。相続人の立場からすると、本来得られたはずの資産が獲得できなくなったため、もめ事に発展するケースがあります。

トラブルを回避するには、相続人などを含む親族に、リースバックする旨をあらかじめ伝えておくことが必要です。

本来であれば、 自分の家をリースバックする際の手続きにおいて、相続人の同意は必要ありません。しかし法的には同意が不要であっても、あらかじめ伝えておくのが良いでしょう。相続人は子どもとは限らず、兄弟や親、孫のほか、 姪・甥が相続するケースもあります。

また相続人は、相続した家に自ら居住する以外に、その不動産を売ったり貸し出したりして利益を得ることを想定している場合もあります。そのため、相続人が遠方にいる場合やすでに持ち家を所有している場合でも、相続と無関係とは思わずに話を通しておきましょう。

事例5 不動産会社が倒産した

賃貸契約を交わした不動産会社が倒産してしまうというトラブル事例も報告されています。倒産すると会社の資産である不動産も売却処分され、所有者が変わってしまう場合があります。新たなオーナーとなるのは、物件を買い取った投資家や、別の不動産会社などです。

その場合、契約書面に明記していない約束事、特に口約束は新しいオーナーに引き継がれません。そうなると契約の更新に応じず退去を求められたり、家賃が値上げされたりするケースが考えられます。

対策としては、物件の所有者が変わっても契約内容が有効になるよう、契約書に明記することです。

また倒産する可能性が低く、信頼できる会社を選ぶことも大切です。運営実績や資本金などを確認するほか、対応の丁寧さや誠実さ、知識の豊富さなどもチェックしましょう。

事例6 修繕費の負担範囲があいまい

通常の賃貸住宅では、経年劣化や自然損耗などによる修繕費用は貸主が負担しますが、リースバックの場合、借主の負担となることがあります。

一般的な賃貸住宅とは異なり、借りる前から住み続けているため、契約時点の傷の状況を把握するのは困難です。いつ・誰がつけた傷であるかを判別できないため、借主側の負担となってしまう場合があります。

小さな傷の補修だけではなく、屋根の雨漏りなどの大規模修繕が生じる場合もありますが、賃貸契約の前からあった不具合や破損箇所などの修繕費用は、借主が負担するケースが多いです。また借主の過失でついてしまった傷の修復なども、借主負担となります。

一方、建物にかける火災保険料は、物件を所有している貸主が支払います。またリフォームや建て替えは、貸主側の意向で行う場合は貸主の負担となりますが、借主の希望で行う場合は借主負担となるケースが多いです。

リースバックの修繕においては、どこまでが賃貸前の不具合であるかを判別しにくく、借主の負担が大きくなる点が懸念点です。お互いの負担の範囲や割合などを契約時点で協議の上、決めておきましょう。

事例7 リースバックが出来ないと言われた

不動産会社とある程度話を進めていたにもかかわらず、途中でやはりリースバックができないと断られるケースがあります。

その要因のひとつとして挙げられるのは、住宅ローンの残高よりも売却金額の方が低くなってしまうことです。売却代金だけではローンの残りを完済できないため、金融機関が設定している抵当権を外すことができず、売却できません。

このような場合は任意売却と併用することによって、リースバックできる可能性があります。住宅ローンを滞納した場合、競売によって住宅を売却されるのが一般的ですが、債権者の同意を得た上で、競売以外の方法で売却するのが任意売却です。

任意売却とリースバックの両方を行う会社であれば、話をスムーズに進めやすくなるでしょう。任意売却については以下のページで詳しく解説しています。

任意売却ヘルプセンターでも任意売却とリースバックを併用した不動産の売却が可能です。自宅の住宅ローンがまだ多く残っているが売却を検討したい方は、お気軽に見積り依頼ください。

関連記事:任意売却とは?競売を回避できる最終手段

失敗しないリースバックをする方法

リースバックのトラブル事例を知ることで、トラブルへの発展を未然に防いだり、先回りした対策が立てられるようになります。リースバックをする前から失敗しないための準備をすることが肝要です。

ここまでにもトラブル事例とあわせて対策方法を紹介してきましたが、失敗しないリースバックの方法のまとめを再度紹介します。

不動産の適正価格を把握する

リースバックの売却金額は市場価格とは異なる基準で算出されます。そのため市場価格を把握していないと、売却金額が適切なのか・安すぎないのかを理解することができません。売買契約が完了したあとに「やばい」と思ったとしても時すでに遅し。泣き寝入りすることになり兼ねません。

では市場価格を知るためにはどうしたらよいのでしょうか?難しいことは何もなく、不動産会社に査定依頼をするだけです。この時リースバックのことは伝えず、純粋に不動産を売却したい旨だけを伝えてください。
一般的な不動産の売却と、リースバックによる不動産の売却は基準となる金額が異なります。ですが、所有している不動産の市場価格を知るという意味で通常の査定依頼をすることが重要です。

支払える家賃(賃料)を明確にする

リースバックをすることで自宅に住み続けることが出来るようになりますが、賃貸として借りるため家賃が発生します。リースバックで賃貸を行う場合、家賃は買主(貸主)との交渉次第で決定します。ここで注意する必要があるのが家賃をいくらにするのかということです。

高い家賃に設定しすぎると支払い続けることが困難になり、最悪の場合は家賃を滞納したことによって退去を求められる可能性があります。リースバックで大金を手に入れたからといって多少家賃が高くても大丈夫と考えるのではなく、自身の収入に適した金額の家賃に収められるよう交渉しましょう。

また両者の合意で家賃が決まる以上、互いの利害が絡み合ってきます。その利害とは売主(借主)は高く売却して安い家賃で住み続けたい、買主(貸主)は安く購入して高い家賃で貸したいといったものです。

その他に、買主(貸主)は購入した不動産を賃貸収入メインではなく、リノベーションして再度販売することで利益を得ることを考えている場合もあります。こうなると、いつまで賃貸で貸し続けるかという利害も検討する必要がでてきます。

家賃を決めるうえでは互いの利害を理解して落としどころを探る交渉は非常に重要です。直接交渉するよりも不動産仲介会社など第三者を交えることでまとまるケースも多くあります。

買戻しの条件などを定めておく

リースバックにおけるトラブルの中でも特に多いのが買戻しについてのトラブルです。買戻しを想定しリースバックを利用したはずが、いざ買戻しをしようとした時に買い戻せない事例が後を絶ちません。

買い戻せなくなるケースもいくつかのパターンに分かれますが、事前に対策できるものとしては買戻特約と再売買の予約を勘違いしてしまうケースがあります。この二つはいずれも「自宅の所有者に戻れる」という意味では同じですが、その方法や過程などが大きく異なります。

こちらの記事で買戻しの方法と失敗しないための注意点を解説していますので、買戻しについてのトラブルを避けたい方は一度目を通してみてください。

関連記事:リースバックで不動産を買い戻す方法と失敗しないためのポイント

まとめ

いかがでしたでしょうか。

リースバックのトラブル事例は数多くありますが、どれも事前に認識することが出来れば対策は容易なものとなっています。自身で出来る対策と不動産のプロに任せるべき対策、両方の対策をしっかりと取ることで不必要なリスクを回避することが出来ます。

任意売却ヘルプセンターでは、任意売却はもちろんのこと自宅に住み続けたい方に対して、任意売却とリースバックを併用した債権者交渉も承っています。

また併用をする場合、特に難しいのは債権者交渉ではなく買主を探すことです。当センターではこれまでに任意売却やリースバックで買主となっていただいた個人・企業との繋がりが豊富にありますので、きっとご相談いただいた方のお力になれます。

リースバックをご希望の方は、是非お気軽にご相談ください。

記事の執筆者

長井一記
長井一記 / 任意売却ヘルプセンター センター長

少年期に経験した競売と、不動産業界にて数多くの不動産売買に従事した経験から、少しでも多くの方を競売から救うことのできる「任意売却ヘルプセンター」を設立。
ご相談者さまに寄り添い、任意売却・リースバック・その他の解決手段で競売回避を実現します。

趣味:登山/ジム/地域ボランティア

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